外需(貿易)依存型の中国と日本の異なる事情
※このコラムは上田ハーローFX 週間ニュースに掲載しているものです。
昨年秋のリーマン・ブラザーズ破綻のショックから、世界的な金融機関の信用の収縮につながり、信用不安が実体経済に波及し、更にそれが金融の信用不安に戻ってくるという負のスパイラルに陥っている。金融の信用不安は世界のGDPの3割弱を占めるといわれている米国経済を後退させ、米のGDPの約7割を占めるといわれている個人消費を冷え込ませた。この結果、外需に依存している日本は10-12月期のGDPが年率換算で12.3%のマイナス(第2次速報値)になるなど、比較的影響が少ないとみられていた日本の経済も安全ではなく、第1次速報値の発表を境に、円安が進んだ格好となった。一方、日本と同じような輸出主導型の産業構造をもつ中国は10-12月期のGDPが6.8%と減速はしたものの、日本の落ち込みとは大きく異なっている。
米国の通関ベースの輸入実績から昨年9月と12月を比較すると、中国の輸出は約20%の減、日本は同10%の減と日本の減少幅は少なくなっている。ただ、小売を主導する既存店の売り上げを見ると、ディスカウントのウォルマートがほぼ一人勝ちの状態で2月は前年比5.1%の増加となっていて、百貨店のJCペニーは前年比8.8%の減少だ。裏を返すと、日本の付加価値の高い白物家電や液晶テレビ、自動車などの品目は売れないが、中国の低価格商品は売れているということだ。急激な逆資産効果で可処分所得が低下した米の消費者は低価格商品の購買を高めた結果、貿易統計を見ないと断言はできないが、通貨ベースで減少した中国からの輸入を2009年に入って増加させているのではないだろうか。
この流れが継続すると世界経済の悪化が日本の貿易黒字体質を赤字体質に変化させ、潜在的な円安要因になる日も近いかもしれない。また、中国が日本のGDPを抜くのも2010年を待たず、2009年になるのではないだろうか。




