英国の凋落が始まる?
※このコラムは上田ハーローFX 週間ニュースに掲載しているものです。
今週月曜日の26日に民主党が政権与党して初めて第173回臨時国会を召集した。鳩山首相の所信表明演説から、各党の代表質問を経て、11月第1週にも予算委員会が始まる予定である。代表質問では日本郵政の社長人事を元大蔵次官としたことから、「脱官僚」、「官から民」の流れに逆行するとの論調が新聞の社説やコラムで数多く見られる。日本の動きとはやや異なるが、G7を中心に昨年秋の世界的な金融危機や景気後退などを教訓として、規制を強化する動きがみられるようになってきた。
最近の見たニュースの中でも特に印象に残っているのが、ヘッジファンドが国際金融都市ロンドン(シティ)からスイス(チューリッヒ)に拠点を移し始めたというものだ。拠点を移す最大の理由がスイスの外国人富裕層に対する税制優遇だ。一方の英国では2010年春から所得税の最高税率が40%から50%に引き上げられる。また、仏、独も所得税率は40%~50%といずれもスイスよりは効率である。規制面から見るとEUでは、タックス・ヘイブン(租税回避地)に拠点を置くオフショアファンドの販売を禁止する意向であるのに対し、EU域外のスイスは地理的にも、言語的にも利便性が高い。
為替市場でも2007年の統計となるがロンドンの取引高は、1日平均1兆2590億ドルで、シェアも34.1%と2位のNYの6640億ドル、16.6%を大きく凌いでいる。また、英国の主産業は金融であり、GDPの約10~12%程度を占めているとも言われている。今のところ、スイスからの積極的な働きかけもあり、小規模ファンドの数十社が移動したに留まっているが、規制が強まるほどに金融立国である英国の地位が脅かされることになりそうだ。




