通貨で為替を捉えてみよう
※このコラムは上田ハーローFX 週間ニュースに掲載しているものです。
11月の下旬に入り円高が加速し、1995年4月19日の円の史上最高値の79円75銭以来となる、1ドル=84円82銭の円の高値を付けた。新聞やテレビなどでも1円円高になったら○○億円の損失というニュースが聞かれるようになった。
FXが広く一般に認知されるようになって、外国為替の取引を身近で感じられる方が多くなったが、いろいろな機会に話しを聞くとドル/円というセットで捉えられている方が多くいるようだ。このため、リスク資産への投資のためにドルのキャリートレードと円のキャリートレードが起こっている時や、リスクを回避するために、ドルと円が買い戻されるという現象を理解するのに苦労されているようだ。
もともと外国為替は2国間の通貨の取引であることから、ドル/円という捉え方で問題はないのだか、先々の動きを予想するときは、個々の通貨がどのような動きになっているかを把握しておいたほうが良い。方法としては、主要ないくつかの通貨をピックアップして強弱を比べてみる。通貨の実効レート(貿易加重平均 = 貿易相手国の比率と為替レートにより、自国通貨の価値を指数化したもの)を参照して見るなどの方法がある。後者は中央銀行のホームページに掲載があるところもあるが、英中銀の(Statistical Interactive Database - interest & exchange rates data)に主要な国の実効相場が数値化されている。
こうした通貨別の動きを見ることにより、その国の通貨安によって円高なのか、円が全体的に買われているのかが見えてくると思う。そして、その通貨が下落している要因が「円高」であれば、円が弱含む要因(GDPの悪化など)や本邦当局者の牽制発言がでると流れが反転する可能性があるだろうし、その通貨だけが下落しているのであれば、その原因を探りやすくなるのではないだろうか。




